FLIPDIS version 2.1

概要

地震完了から数時間後における液状化層の圧密および、地盤の剛性回復についはこれまで注目されておりませんでしたが、津波時到達時に地盤の剛性がどの程度回復しているかは非常に重要です。津波到達時に地盤の状態を適切に評価し、津波外力を作用させなければなりません。このような問題に対応すべく、FLIPDISをバージョンアップ致しました。初版のFLIPDISに関する紹介は、Project TMS GroupのFLIPDIS製品紹介ページをご参照下さい。

FLIPDISのサポートについて

FLIPDIS version2.0以前のサポートは、終了致しました。version2.0以降のサポートは、これまで通りメールで受付ております。FLIPDISは2005年にProject TMS Groupから販売を開始致しましたが、2011年より当社からの販売へと移行しました。

FLIP version7.3のファイル書式に対応

FLIPDIS version1.7は、FLIP version6.04までのファイル書式に対応していました。FLIP version7.3から応力ファイルのなどの書式が変更になりましたので、これらの書式に対応致しました。旧バージョンのFLIPDISを利用する場合、新しいFLIPで出力されたファイルは旧形式に変換しなければなりません。

津波外力作用に関する対応

津波外力作用時の検討を行うために幾つかの改良を行いました。地震完了後に荷重を作用させる機能は、旧版のFLIPDISにもサポートされておりましたが、節点間距離を考慮して節点荷重を入力しなければなりませんでした。今回の改良では入力の簡素化を図り、分布荷重の設定を行えるようにしました。 ビーム材については線形ビームのみ対応していましたが、構造物の評価を適切に行えるようにビーム材のM-φ関係のバイリニア、トリリニアを考慮できるようにしました。 その他、任意のヘッド固定条件の設定機能や、ひずみレベルに応じた剛性に調整する機能などをサポートしました。

計算例

Tms Postによる表示例と計算結果の例を以下に示します。

Tms Postによる表示例

Tms Postによる表示例

計算例は引き波時の検討を対象とし、液状化地盤の透水係数が異なる3ケースの計算を実施した例です。透水性が悪い地盤は津波到達時に液状化層の剛性はほとんど回復せず、透水性のよい地盤は初期剛性に近い状態まで回復します。剛性回復が遅いケースは、矢板護岸の水平変位が大きくなります。

矢板護岸の水平変位深度分布図(比較)

矢板護岸の水平変位深度分布図(比較)