定義ファイルのデフォルト値について
概要
D'sNAPはいくつかの定義ファイルで規定されており、これらのファイルをテキストエディターで書き換えることで様々なFEMに対応できるようになっています。ここでは定義ファイルのデフォルト値の変更方法を示します。
定義ファイルのデフォルト値は、一般的によく行われる解析を対象に決定しています。例えば、浸透流解析の場合には、堤防の浸透問題に最適なデフォルト値を設定しています。堤防の浸透問題を解く場合には、計算ステップに関する設定をほとんど変更する必要がないように入力の簡略化を図っています。
よく行われる解析の種類はユーザーにより異なりますので、よく行われる解析に合わせてデフォルト値を調整すれば、入力の簡略化を行えます。
ご注意
ここで示す操作はソフトウェアの動作を変更するものです。不慮の事態に備えて事前に対象となるファイルのバックアップを確保するなど、必ず現状復帰のための手段を用意してください。
また、環境により管理者権限を要求される場合があります。その際にはあくまで自己責任において操作を行ってください。
デフォルト値変更例
ここで示す定義ファイルはすべてD'sNAPのインストール先フォルダ以下のIncludeフォルダに格納されています。
定義ファイルはすべて文字コードはShift-JIS(cp932)、改行コードはCRLFです。
DsNAP.iniの内容を確認する
ここでは、AC-UNSAF2D注(浸透流解析)を例に示します。テキストエディターでDsNAP.iniを開き、内容を確認します。DsNAP.iniは、利用可能なソルバーの情報とそのデータ形式・データ編集コンポーネントを規定するファイルです。
ここで編集対象となるファイルは、基本データ(Basic)部分に記録されている定義ファイルUnsafBsc.ini
です。
DsNAP.ini
COMP "AC-UNSAF2D" 1.00 "岡山大学" 2006 5
INCLUDE
BSC "UnsafBsc.ini" "DifBas.exe" Basic
MAT "UnsafMat.ini" "DifMat.exe" Material
MSH "" "MeshLite.exe" Mesh
CNS "UnsafCns.ini" "DifCns.exe" Process
CALCULATION
1 DifCalcn.exe PreUnsaf2D.exe UnsafOut.exe
POST PROCESSOR
"DScoPost.exe" dbn
OPTIONS
&レポート出力... ReportForDsNAP.exe 0
HELPDOCUMENT
"UNSAF2D"
基本データ定義ファイルの内容を確認する
上で確認したUnsafBsc.ini
をテキストエディターで開いて内容を確認します。{計算条件-2}にある「ステップ設定」-「時間ステップ等分割数」のデフォルト値を 10 から 5 に変更します。
デフォルト値は、「定義ラベル」、「デフォルト値」の順に並んでいます。デフォルト値の種類は、整数型、実数型、文字型の3パターンあり、定義ラベルに合う型を使用しなければなりません。
UnsafBsc.ini
SECTION ステップ設定 # 3-2
INT 30 MAXIT 繰り返し計算数
INT 10 NCUL 時間ステップ等分割数
INT 30 MAXIT0 定常繰り返し計算数
END SECTION
一部を省略しています。
内容を編集する
このファイルのうち、3行めを次のとおり書き換えます。
編集前
INT 10 NCUL 時間ステップ等分割数
編集後
INT 5 NCUL 時間ステップ等分割数
結果を確認する
変更を保存した後、Dif for D'sNAP プロジェクトを開きます。基本データ入力画面を表示させると次のようになります。「時間ステップ等分割数」は、10 から 5 に変更されています。
- AC-UNSAF2Dは岡山大学の西垣 誠 教授らによって開発されたプログラムです。著作権は岡山大学の西垣 誠 教授らに帰属します。
- AC-UNSAF2Dは公開されたプログラムであり岡山大学のホームページからダウンロードすることができます。