D'sNAPパラメトリックスタディー

対象

この文書は以下の製品について書かれています。

概要

実測値を近似するように繰り返し計算を行い、最適な物性定数を求めるプログラムです。

改良継続中のため幾つかの機能制限を設けています。複数個の入力データを同時に計算できるようになっており、 ご利用のPCの状況に応じて同時計算実行数を指定できます。 同時計算実行については、一括計算プログラム-複数プロセスの同時実行化を参考にして下さい。

利用について

D'sNAP version6.0以降でかつ、Dif for D'sNAP version11.0以降のユーザーが利用可能です。

会員ページからダウンロードできます。期間限定の利用となります。

使用方法

使用方法を以下に示します。

ファイルのコピー

以下のファイルをD'sNAPインストール先の各種フォルダにコピーします。

  • bin/DsnapParametricStudy.exe
  • Templates/DsnapParametricStudy.css

D'sNAPへの適用方法

実行ファイルそのものを起動して実行することもできますが、D'sNAPから起動する場合は、DsNAP.iniファイルを編集する必要があります。 DsNAP.iniをエディターで開き、使用するソルバーの「OPTIONS」に以下の「&」部の1行を追加し、保存します。 D'sNAPの[ツール]メニューに「DsNAPパラメトリックスタディー...」が追加され、このメニューから実行することができます。

OPTIONS

    &DsNAPパラメトリックスタディー...  DsnapParametricStudy.exe 0
  

操作方法

操作方法は、以下の通りです。

 基本データを入力します。
デフォルト設定のままでも構いません。必要に応じて入力します。
 パラメトリックスタディーデータを入力します。
入力値は、材料ごとの物性定数の最小値、最大値、分割数です。
 実測値を入力します。
ソルバーにより入力値は異なります。例えば、変形解析では変位、浸透流解析では水位もしくは、全水頭です。
 計算を実行します。
計算完了後に最適な物性定数が求められます。
 計算結果を確認します。
実測値と計算値の関係などにより近似具合を確認できます。

[入力条件画面例]

入力条件画面例

使用制限

使用制限は、以下の通りです。

  • 対応しているソルバーは、DifとAC-UNSAF2Dです。
  • 実測値は最終ステージの値を入力します。(主に全応力解析や定常浸透流解析に使用します。)
  • 調整できる物性定数は、変形解析はヤング係数、浸透流解析は透水係数です。

※対応ソルバーを限定していますが、汎用的な構造になっており、他のソルバーに対応することも可能です。

※複数時間の実測値入力については、最終ステージのみとして、制限を設けています。

※調整できる物性値は制限を設けています。組み合わせが多くなりすぎると、計算回数が膨大になるためです。

計算例

計算例を以下に示します。

盛土載荷の変形解析例

[実測値と計算値の関係]

実測値と計算値の関係

※黒丸は水平変位、黒三角は鉛直変位

[計算回数と誤差の関係]

計算回数と誤差の関係

堤防の浸透流解析例

[浸潤線図]

浸潤線図

※丸は実測値、青色線は決定した浸潤線、灰色線は計算過程の浸潤線

宙水がある浸透流解析例

[浸潤線図]

浸潤線図

※丸は実測値、青色線は決定した浸潤線、灰色線は計算過程の浸潤線

[実測値と計算値の関係]

実測値と計算値の関係

[計算回数と誤差の関係]

計算回数と誤差の関係

[全水頭と間隙水圧深度分布図]

全水頭と間隙水圧深度分布図

※Excelによる実測値と計算値の整理結果