Dif version 10.0 バージョンアップ

概要

Dif version 9.0から10.0へバージョンアップをしました。主な改良内容を以下に示します。

  • メッシュ規模の拡張
  • ECモデル、関口・太田モデルに関する計算の安定化
  • 力学モデルの追加
  • 要素ごとの過剰間隙水圧の付加と物性番号を変更
  • せん断強度低減法に要素ごとの強度を設定
  • 安定解析機能の廃止

メッシュ規模の拡張

10000節点の制限を20000節点までとしました。Dif version10.0から64bit版のみとなります。

EC モデル、関口・太田モデルに関する計算の安定化

Koiter の流れ側を適用した関口・太田モデルにパラメーターを1 つ追加し、計算の安定化を制御できるようにしました。 EC モデルについても計算の安定化に関する改良を行いました。

力学モデルの追加

FLIPDIS(FLIP の後処理プログラム)に採用されている間隙水圧比の指数関数モデルV2をサポートしました。 この力学モデルは、液状化後の圧密沈下に対して考案されたモデルであり、このような問題に対して多くの実績があります。 FLIPDISには幾つかの間隙水圧比の指数関数モデルが用意されていますが、最も使用頻度の高い以下の力学モデルを採用しました。

要素ごとの過剰間隙水圧の付加と物性番号を変更

要素ごとに過剰間隙水圧を与える機能と物性番号を変更する機能をサポートしました。 設定はアプリ上で設定するのではなく、直接要素にデータを与える仕様で上級者向けオプションとなります。

せん断強度低減法に要素ごとの強度を設定

要素ごとに強度を与える機能をサポートしました。地盤強度のバラつきを考慮した検討を行うことができます。 強度設定はアプリ上で設定するのではなく、直接要素にデータを与える仕様で上級者向けオプションとなります。

安定解析機能の廃止

FEM 圧密解析と安定解析を同時に行える機能をversion4.0 時にサポートしましたが、version10.0 ではこれを廃止しました。 円弧すべり計算は、別途独立したソルバーを当面は試供版として配布します。 安定解析は、様々なFEM の結果を利用することができることから、Difとは独立したソルバーを開発しました。