Dif Frame version 1.0
概要
Dif for D'sNAP version 6.0 から新機能として Dif Frame を追加しました。Dif Frame は2次元フレーム計算用のソフトウェアで、ソルバー部分にはDif for D'sNAP version 6.0 を用いています。プレ・ポストプロセッサにはD'sNAPを利用します。
地盤のバネ支承は鉛直方向について以下の3つのモデルをサポートしています。軸方向バネは軸直角方向バネと組み合わせで利用できるように別途これを考慮できる弾塑性バネを用意しています。ビーム材(梁材)にはひび割れ、降伏、終局状態を考慮できるトリリニアをサポートしています。
用途
本製品は汎用フレーム計算ソフトウェアであり、様々な検討を行うことが可能です。以下に主な用途を示します。
- 単杭の挙動
-
Changの式に代表される無限長の杭や有限長の杭の計算を行うことができます。また、多層地盤に対応した計算も行うことができます。
- フーチングと杭の挙動
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フーチングに結合された複数杭の検討や斜杭の検討を行うことができます。
- 弾性床上の梁計算
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樋門の縦断方向やシールドの縦断方向は、弾性床上の梁として計算されます。この計算を行うことができます。
- FEMで得られた地盤変位を利用したフレーム計算
-
弊社製品Dif for D'sNAPではビーム材がサポートされているため、地盤とビーム要素を一体として解析を行うことで改めてフレーム計算を行う必要はありません。しかし、しばしばFEM解析を行った後、この結果得られた変位を用いてフレーム計算を行うことがあります。このような場合に本製品を利用することで、地盤変位を荷重に置き換えてフレーム計算を行うことができます。
理論値との比較
以下のケースにおいてChangの式と変位法の理論値について結果の比較を行いました。
Changの式とフレーム計算の比較
地盤の反力が杭のたわみに比例すると仮定したChangの式を手計算で求めました。
変位法とフレーム計算の比較
フーチングを剛体として、この変位を考慮した変位法によって杭頭の変位量、杭反力を手計算で求めました。
計算例
柔構造樋門設計の手引き
に基づいて樋門の縦断方向の検討を行いました。
この柔構造樋門設計の手引き
は財団法人 国土技術研究センター 注から取得できるようになっており、計算例についても配布されています。計算条件の詳細な設定方法についてはこれらを参照してください。
基本式
函体縦方向の計算は地盤変位を考慮した弾性床上の梁として計算します。


- w
- 函体のたわみ(m)
- wg
- 鉛直方向の地盤変位(m)
- kv
- 鉛直方向地盤反力係数(kN/㎥)
- B
- 函体の幅(m)
- El
- 函体の剛性(kN・㎡)
- q
- 函軸鉛直方向荷重(kN/㎡)
- u
- 函軸方向変位(m)
- ug
- 水平方向の地盤変位(m)
- Ks
- 水平方向せん断地盤反力係数(kN/㎥)
- U
- 函体の周長(m)
- EA
- 函体の函軸方向剛性(kN)
- P
- 函軸方向荷重(kN/㎡)