AC-UNSAF2Dに関するFAQ

Q: AC-UNSAF2D入力データファイルはどのファイルですか?

A: 計算完了時にプロジェクトファイル(~.dif)のあるフォルダに拡張子がdacのファイルが完成します。そのファイルがAC-UNSAF2Dの入力データファイルです。

Q: 定常浸透流解析で得られた初期水頭を与える方法はありますか?

A: オプション機能として定常浸透流解析で得られた初期水頭を与える機能をサポートしました。以下をご参照下さい。

AC-UNSAF2D初期水頭の設定方法

Q: Dif version4.5以降にサポートされているメッシュの細分化機能はありますか?

A: オプション機能としてメッシュの細分化機能をサポートしました。以下をご参照下さい。

メッシュの細分化機能

Q: ソルバーの自動実行ができませんが、どのような原因が考えられますか?

A: 幾つかの原因が考えられますので、以下をご参照下さい。

弊社製品以外のソルバー実行

Q: 飽和度の計算方法を教えて下さい。

A:  飽和度は以下のデータを用いて計算されます。

 
     
  • θs飽和体積含水率(入力値)
  •  
  • 不飽和浸透特性(入力値)
  •  
  • 負の圧力水頭(計算結果)
  •  

不飽和浸透特性と負の圧力水頭からその時点の体積含水率θが分かります。(θ~Ψグラフから読み取ることができます。)  得られた体積含水率θを飽和体積含水率θsで割り、百分率にしたものが飽和度です。

入力値の注意事項としましては、θ~Kr、θ~Ψ、θsの関係を正しく入力しなければなりません。 Ψ=0.0、Kr=1.0のときのθとθsは一致していなければなりません。 河川堤防の構造検討の手引きで使用している不飽和浸透特性は、見かけ上の体積含水率を使用しておりますので、この不飽和浸透特性から得られる飽和度の値に関しましてはあまり意味がございません。ただし、不飽和の具合の目安にはなります。

注)UnsafOut.exeのversion2.2.0以前は、飽和度の計算に負の間隙水圧を使用しているために水の単位体積重量は1.0にしなければ飽和度が正常に計算されません。

D'sNAPインストール先binフォルダにあるunsafout.defをエディターで開き、GANMAWの隣にある値を1.0に変更すれば、水の単位体積重量は1.0となります。基本的にAC-UNSAF2Dには力の単位系はありませんので、この入力値をもとに単位変換を行っています。

UnsafOut.exeのversion2.2.0以降は、水の単位体積重量はどのような値でも飽和度は正常に計算されます。

Q: 複数箇所の浸出面の設定はできませんか?

A: 工程データで複数ラインの浸出面を設定してもその複数ラインをまとめた1ラインの浸出面の設定になります。このためPreUnsaf2D.exeのversion2.2.0以降は仕様を変更しました。

工程データで複数ラインの浸出面を設定した場合には、その設定した複数ライン分を個別の浸出面として扱うようにしました。

この設定では従来のように複数ラインを1ラインの浸出面にまとめることができませんので、場合によっては解析結果を確認しながら調整しなければならない場合もございます。

浸出面番号の入力項目を追加すれば、前述のどちらの設定も対応可能にはなりますが、使用頻度がそれほど多くないことから入力項目は追加していません。

Q: 自由水面図はどのように描画されていますか?

A: 間隙水圧0.0のポイントを繋いで自由水面図としています。

Q: 自由水面のデジタルデータはないですか?円弧すべり計算に使用します。

A: 計算完了後にプロジェクトファイルのあるフォルダに「***-watarelev.csv」(***プロジェクトファイルタイトル名)が完成します。このファイルが自由水面のデジタルデータとなります。

データ精度は、unsafout.defで調整可能です。詳しくはマニュアルをご参照下さい。デフォルトは1cmのデータ誤差を許容していますが、データ誤差を厳しくするとデータ数が無駄に多くなり取扱い難くなります。通常の堤防の浸透解析であれば、データ誤差は1cm程度で十分です。

円弧すべり計算で使用されるとのことですが、堤体材料が粘性土のような難透水層の場合には、降雨浸透により表面だけ飽和され輪っかのような自由水面を形成する場合があります。このような場合には、AC-UNSAF2Dで計算された間隙水圧のデータを直接使用したほうがよいですが、プログラムの仕様上それが無理な場合には、解析者が適切に自由水面を調整する必要があります。

Q: ポストプログラムで認識されない領域データがあります。

A: 領域データ内にFEMメッシュ節点を含まない節点があると、その領域は認識されません。

AC-UNSAF2Dは未使用節点が許容されませんので、計算直前のプレプログラムにより未使用節点をなくすようにリメッシュされます。 工程データの詳細で一部の領域が使用されていない場合や初期空洞がある場合は、未使用節点ができリメッシュの必要性が生じます。 このようなケースでは一部領域の節点データがない状態となりますので、領域データとして認識されなくなります。

対処方法としましては、以下のような方法が考えられます。

  • 未使用節点がないようにメッシュを作成する。
  • 工程データ詳細にある「領域削除」を使用しない。
  • FEMメッシュの節点を有しない領域データを使用しない。